映画感想『セブン』 ★3.5

 

セブン [DVD]

セブン、異常連続殺人を追う引退間近のサマセット刑事(モーガンフリーマン)と熱血なミルズ刑事(ブラッドピッド)の話

フィンチャー監督の映画は気付いたら沢山観てるし、ゴーン・ガールファイトクラブエイリアン3やパニックルームなど好きな作品ばかりだがフィンチャー監督だからという理由で観たのはこれが初めての作品かもしれない
フィンチャー監督の作品には独特の間がある
日常にあるちょっといいなと思った無機物をしっかり撮るような間で、美しさを感じつつもその静かさや物語の一時的停止にもどかしさを感じる
この作品においてはそのもどかしさが話に寄り添う様で没入感があった

うんざりくる連日の雨、人が沢山いるカフェや警察を嘲笑うかの様な事件の連続にだらーっと観ていた
しかし、突然の銃声に驚きつつもグッと引き込まれる
カメラワークは色んな角度から登場人物を撮り、躍動感のある神の視点になりつつ、犯人と対峙する意地と使命感と対峙する中で次第に大きくなる恐怖を描く、ブラッドピッドの名演技
この映画で一番好きなシーン

ラストがこの映画を有名にした最も大きい理由だろうと思う、ショッキングで突然終わる様な展開、中盤の突然打たれるシーンの様だった
ラスト数分で驚きと絶望に飲み込まれ、そのままスタッフロールを暫く眺めてしまう感じ
こういったラストが珍しいかと言うと今ではそうで無いが描き方は鮮烈で夜中に思い出してこの映画を思うと色々考えてしまい寝つきが悪かった
ラスト付近の犯人との長い対話シーンが少々説教くさく感じたものの残すもののあるサイコサスペンスの傑作と思う