2017/2 映画感想まとめ
2月1日
PK ★5.0
宇宙人のPKは地球に降り立った直後宇宙船帰還の為のリモコンを奪われ帰れなくなってしまう、地球でリモコンを探す最中彼は神に救いを求めるが同時に多くの疑念を持つ事になる
そんなPKに振り回されて少し良くなっていく人々や世界を描いた話
ISISや宗教差別などが近年多く問題になっているがじゃあ神とは何か?について、頭でっかちにならずに純粋な子供の様な視点で考えた作品であると思う
神とは何かは主題ではあるがそれよりもしっかりとしたハートフルドラマになっているので固くならずに見て欲しい
きっとうまくいくと同監督・主演であり変わり者が社会制度にまっすぐ立ち向かう所は共通していると言える この監督の作品はギャグや会話の細部にまで伏線を入れ、しっかり回収しきるのが魅力の一つで本作でも最後には全てが繋がって感動した
二時間半の長尺ではあるがしっかりと笑いがあり、ドラマが間延びせず破綻しない、音楽もしっかりと心情表現に使うので濃密
ダンスシーンがインド映画にしては少ないのも特徴だが、少ないダンスシーンは兎に角テンポよくカラフルで楽しいのでずっと見ていたくなる
最後のED曲ですらあーなるほどとなったしよく考えられてる
ヒロインはショートカットで活発でしっかりしてるのに詩が好きだし大事な所で内気になってしまう様な部分があって可愛い
シナリオ以外も沢山褒めたいのにちょっと書き過ぎたのでここまで
とにかく観たら分かるんですが最高です
2月2日
ストレンジャー・コール ★1.5
ベビーシッターに来た家には知らない人から15分おきに電話が、という話
ただ電話を受けながら家中を徘徊するのみで上映時間の殆どが過ぎる、無である
劇中の警察官同様観客にも何もする事は無い
ベビーシッターなのにベビーはほぼ出てこなく、終盤で子供居たのかよとなった
唯一の見所は電話の相手との戦闘シーンだが散々引っ張った割りには素手だし弱い、せめて何か武器使えや 先に死んだ人がいるなら殺されるシーンを撮るくらいのサービス精神は欲しかった
籠の中の乙女 ★3.0
三人兄弟は外は危険と誤った常識を教え込まれ家の中でのみ暮らすが長女は外の世界を切望するのだった
ひたすら奇妙なルールに支配された変な映画だ
同監督のロブスターに比べると少々間延びしてしまうが歪んだ親の愛情と到底理解出来ない子供達の予測不能な行動が観ていて楽しい
特に理解不能だったのが妹だ
叫びながら人形を引きちぎったり兄弟の膝を唐突にハンマーで砕いたりする
特に目的意識の無い(見えない)サイコパスなので観ていてゾワゾワした
個人的にはもっと長い時間軸で破綻の見えているこの家族の最後までを観たかったがラストは一応の破綻と言えるかな
2月5日
クリムゾン・ピーク ★3.5
幽霊が見える作家志望の女が結婚した相手は赤い粘土山の上のボロ屋敷の仄暗い過去を持つ準男爵だった
雰囲気的に高慢と偏見と幽霊って感じかな…?やっぱゾンビだこれ!ってなった
ゴシックな雰囲気と素敵なボロ屋敷の映像や登場人物が立ってて良いが伏線が分かりやす過ぎる
主人公目線での謎解きの様な話なのでもう少し展開が見えない方がドキドキ楽しめたと思うのだが結構序盤で先が分かってしまい残念
幽霊なのに割りと物理で倒せそうなのも少し…個人的にはシャイニングの腐れババァみたいなイメージ しかし雪山に赤い粘土がジワジワ浮き出たり、夜の館のシーンが緑と赤だけみたいになっているのとか恐怖シーンでドア何枚か開けた先の遠くの廊下を見せるのは凄く良かった、こだわりを感じる
好みでいうと割と好み
こういった映画での犬は死んだり場を搔き乱したりするのだが存在感があまり無い犬だった あとインモラル
2月7日
ミッドナイト・イン・パリ ★3.0
パリを愛する小説家の男が深夜のパリに行くとそこは彼の愛した時代になっていた
タイムスリップする中で今現在の良さを再確認していく話、割りとありそうで見ないテーマかも
ウディアレンの映画は初めてだが思ったよりあっさり風味
パリの町並みとロマンチックな音楽が良い
コメディだと認識していたが思ったよりドラマよりだ、主人公がロマンチストが過ぎると思ったがラストは良いには良かったのだろうか
響く人は響くだろうなと思った
沢山の過去の有名人が出てくるのが面白い、ダリがサイ好き過ぎる
2月8日
パプリカ ★5.0
セラピーのため夢の中に潜る機械が盗まれて夢がどんどん侵食されていく…
本当に夢の中にいるような鮮やかさやグニャグニャさ、連続性のなさをそのまま見れてリアルな部分はリアルに描きつつアニメならではの表現を混ぜ込んだ映像は無二であると感じた
特に妖精となったパプリカの木と戦うシーン、先程まで木の中の細かい繊維すら見えていたのに上に少し飛ぶと人間の形に見えるというところ
木もパプリカも大きさは変わってない様に描かれているが大きさが変わらなければ現実ではそんな事ありえない
理屈が通ってる様で通ってないのは夢そのものだった
ストーリーは単純に人の心の隙間や登場人物の成長を描いたSFドラマなのだが悶絶する様なアニメーションと何度も繰り返される平沢進の音楽の調和が素晴らしいので夢らしい夢が観たかったら寝る前に観て欲しい
2月9日
劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション ★3.0
ムーミン谷に彗星が落ちるかどうか確認しに仲間達が天文台へ冒険に行く
ムーミン谷の住人は何というか常に危機感と倫理観に欠けて自分の事ばかり考えているのだが不思議と牧歌的だし、観ていて社会性を忘れられて幸せになれるので好きだ
南の島でバカンスの方がそのキャラクター的側面は強く好きだったのだが彗星はより危機的状況なので面白い
不安になるビョークのOPと彩度の低いパペットアニメーションが不思議な位の楽観性のある世界に連れて行ってくれる
癒しだ
スニフは特に自己中心的なのだが最も自分に似ていてモヤモヤする
金を払わずに買いまくった商品をやっぱり返品した分で何故か他の細々した小さい商品買えたシーンは最高だった
一切の金銭のやり取りがないのに買い物をしている
後は仲間が谷底に落ちてるのに具合悪いからうるさいってスニフがキレるシーン
2月11日
ゾンビーワールドへようこそ ★4.0
2月12日
ウォーキング・ゾンビランド ★3.5
2月15日
Dr.パルナサスの鏡 ★3.5
その鏡に入るとその人の想像の世界に行きそこで人は選択に迫られる事になる
ヒースレジャー遺作、撮影途中での彼の死の影響か、辻褄を合わせた様な部分が多く見受けられる
想像の世界は楽しいが空虚な空間があり、想像力の限界のある個人の妄想感があって良い
展開は個人的にはそうなっちゃうのか、という思いがあったがこれがヒースレジャーの死によりこうなったのかは不明だ
思ったより勧善懲悪だった
選択をする中で大抵の誤った選択は納得したが、暴力と母で母が誤りという選択があったのが個人的によく分からなかった
2月19日
新しいワタシの見つけ方 ★3.0
ちょっとワルな友達と付き合ってる優等生JDがひょんなことで馬の牧場の奉仕活動をやる事に、段々と馬が好きになっていくという話
所謂女性向け路線のドラマ系映画、主人公の女が段々ハッピーになっていく、テンポよし、爽やか、馬が綺麗 よく出来てるが物足りない
努力シーンが全て短いシーンのつなぎ合わせと爽やかな音楽っていう君の名は方式でこの映画の場合はトントン拍子に進み過ぎなのもあってアッサリさせすぎかなとか
安易に唐突に彼氏出来たりしなかったのはいいと思う…っていうかいい感じになってた男、友達の彼氏かよ!?ってなった
2月21日
モンスターズ 地球外生命体 ★4.0
定期的に巨大なモンスターが出現する中カメラマンは新聞社の令嬢をアメリカに送り届ける事になる、混乱した状況下でのロードムービー
まずこのモンスター、卵がキノコぽいし本体はタコだし黒くて光るので堪らない
しかし本題は混乱状況下での人間や癒し、現実などだ
カメラマンの彼の夢と現実、恵まれているかに思えた社長令嬢の垣間見える苦悩、二人が美しい自然の中淡々とアメリカを目指す最中で少しずつ歩み寄っていく様子が良かった
緊急時に割りと喚くタイプなのが少し腹立ったが二人とも基本的に大人なのでラストがほろ苦くてよい
社長令嬢凄い好み、セクシー
マッドボンバー ★4.0
娘の死からの逆恨み連続爆弾テロ男、恵まれた家庭にありながら強姦を繰り返す男、それを異様な執着で追いかける刑事の三人をメインに展開するサスペンス
兎に角派手では無いが静かに全員狂人で印象深い映画 優雅に音楽を流しながら爆弾を組み立て日常の様に持ち歩くのが面白い
爆弾魔が道端で言い掛かりレベルの文句と正義を訴え、言い掛かりな爆破を繰り返し正義を訴えるのが、こんな狂人いるよなって感じだ
何というかどれもこんな奴居ないだろレベルの狂人に感じないのが面白いのかも
今の時代ではあり得ない捕まらなさだがそこにドラマがあると思った
自分の妻を自分で撮った自家製ポルノを観て致しながら絶頂と共に爆破されるシーンとかいきなり死ぬほど似るモンタージュとか笑ってしまった
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15本観たらしい
2月に観た映画リストを9月に更新するの、虚無