2017/9 映画感想まとめ

無垢の祈り ★4.5

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

映画用の画像が無いので原作小説貼っときます

学校ではいじめられ、家では父親性的虐待を受け、町でもいたずらを受ける少女

そんな少女の町の周りでは連続殺人事件が起きており、少女はその事件に執着する、という話

どうしようもない鬱屈とした苦しい話が淡々と展開し、観ていて苦しい

度々少女が訪れる夜や人気のない工場郡が無機質で綺麗、バイオリンの静かなBGMも良かった

 本当に厳しい少女の世界をただ観るしかないのだが、ラストの少女の叫びで圧倒的カタルシスが得られる

ラストのために劇場で観たい映画だった

 

悪魔のしたたり ★2.5

悪魔のしたたり ヘア無修正版 [DVD]

見世物小屋で行われる残虐ショーは本物の殺戮ショーだった!

馬鹿にした評論家を見返すためもっとスゲェ事をするぜ!という話

脳みそにストロー刺してチューチューしたりちんこホットドッグを食う

基本的にはストーリーはあってないようなもので時間稼ぎかテンポが悪く、チープ

小人と主人が仲良く拷問しまくるのが楽しい、小人かわいい

今観ると割りとぬるい出来なのだが二人を助ける医者が結構なサイコ野郎でテンション上がり過ぎた医者にドン引きする二人に殺されるシーンが面白かった

 

リミット ★3.0

[リミット] (字幕版)

男が目覚めたのは棺桶の中だった、残り僅かな空気で脱出不可能な中どうすればいいか…というワンシチュエーションスリラー
これだけの内容で映画の尺が持つのか?と思ったが緊迫感のある画面作りでヒリヒリした
ただ、若干非現実的なまでの絶望的状況ではと少しだれた
ただただ不安感を募らせるのもいいがラストの部分をもっと拡張して、飴部分を増やして落差で絶望に突き落として欲しかった気持ち
贅沢かもしれない
観てよかった

 

私が、生きる肌 ★4.0

私が、生きる肌 Blu-ray

全身火傷して絶望して自殺した妻と同様に自殺した娘を持つ医師は女を監禁し完全な肌の研究に執着していたという話
前半は凄くフェチ的な内容にあるにも関わらず性的描写を極力抑えている様に感じた、そのお陰かサイコ野郎なはずの医師の悲哀に寄り添えた様に思う
明確に分けられてはいないが後半の回想から物語の焦点は監禁された女に切り替わり、描写の仕方が変わった様に感じた
回想か退屈だなぁと思った所に流れる様に二つの視点から観れるのは凄いと思った
ラストはエクスマキナ的な爽快感がある
内容も面白いが描き方も凄いので是非観てほしい
顔を作り変える医師の女を監禁する様子がデカデカと見える部屋にだけある絵の顔が無かったり、小物にそれぞれ伏線があったり画面の隅々まで面白かった
女役の人がキリッとした美人なのも良い…
全身タイツでヨガやるの最高だな…


アメリカンバーガー ★2.0

アメリカン・バーガー [DVD]

バーガー工場で作られていたのはアメリカ人の肉を使ったアメリカンバーガーだった、定番設定の軽〜いカニバリズムもの
バーガー工場での恐怖だとか奇人シェフとかもっとしっかり描きどころはありそうなのにそこらは全部省略して森での追っ掛けっこに終始したのが残念
生肉場の作業員の殺しの手際が良いのは良かったがこれではゾンビものと大差ないのでは…人間ならではのトラップももう少し色々あって良かったのでは
それでもどうにか退屈せず観れたのは程々のギャグと複数チームに別れたストーリー展開によるものと考えられる
結局全体的に程々で心臓に良さそう
面白かったのは遺言が肉団子だったり、全く殺戮とは関係のない運がひたすらいい奴がいたり、なんだかんだみんな見捨てまくってた所
殺しの勢いがとにかく早いので、この勢いだと倍は出さないと30分以内に全員死ぬのではと思ったけど最後まで持って良かったのです

 

ダンケルク ★5.0

DUNKIRK
ダンケルクに追い詰められ、取り残された40万の兵士の救出作戦を描いた作品
救出される側の兵士の視点を主軸に救出する側のボート、航空機の三軸で物語が描かれている
開幕直後の銃撃からはラストまでずっと溺れているかの様な息苦しさと緊迫感
状況を好転させる劇的な方法は無く、ただ必死にやれる事をやるしかない
人の死を悲しむ暇も無く、それぞれがただ自分が生きる為に必死に目の前に立ち向かうしかない
余計なドラマもなく、人の死にもどこか麻痺した感覚で見る事になる
三軸構成にした事でただのピンチ連発にならなかったのが良かった
後この話の中で(恐らく)誰も生きて栄光らしい栄光を勝ち得無かったのがまた、ドラマチックさが抑えられていていかにも創作物を観た様な視聴後感にならなかった
未だに帰ってこれない様な茫然とした感じ
遮蔽物ゼロの砂浜の爆撃で兵士達は身を伏せて当たらない事を祈るしかない、くるものがある
轟音と大画面に没頭したいので映画館で観たい映画
100分程度とは思えない位体感時間は長く、退屈しなかった

 

小さな悪の華 ★3.5

小さな悪の華 [DVD]

修道院に通う二人のイタズラ好き少女は夏休みの二人の世界の中でその悪を互いに増幅させて行く、という話
公開当時は多くの映画館で禁止になったというが、悪といっても派手なエログロシーンは少なく、キリスト教圏外にいる我々には本作のショッキングさは分からないかもしれない
しかし、無垢に笑いながら好奇心や遊びの感覚で残虐行為を続ける少女達は観ていてざわつくものがある
彼女達は二人で遊ぶ事が目的であって他の道もあったのではないかと考えた
下着姿や足を見せて男を誘惑するもののからかうのみが目的といった感じで危なっかしい
下着の形状がエロい
正直なところ、中盤までは何でこの映画が有名で評価されているのか分からなかったが、ラストシーンが凄い良かった
他のシーンはここに至る為だったと感じれた、美しく痛ましい
少しずつ階段を踏み外し美しい破滅に向かって行く少女達を丁寧に描いた映画

 

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7本観た

映画を長いこと観ないで過ごすと映画を観る体力が落ちます

あと感想書く体力も落ちます

10月に観た映画は11月中にまとめるぞ…